「あー牛丼食いてえ」
「俺はカレーでもいいなあ」
「なんだ、今日は外食じゃないのか」
「給料日前だからきりつめてんだよ」
確かにきりつめてるな。
シュウはエルクとトッシュの昼食をみて苦笑した。
彼らの目の前には持参したであろうタッパーに詰めた白米と、コンビニの唐揚げ。
もはや定番化している二人の給料日前の昼食風景だ。
「毎月毎月飽きないな」
「飽きるとか飽きないじゃねえよ、全ては薄給が悪い」
「そーだそーだ!シュウ給料あげてくれよ!」
「給料あげる前に月末そうならないように支出を調整したらどうなんだ」
シュウの言葉に二人は口をつぐむ。
ぐぬぬ、言い返せない。
トッシュが悔しそうに顔を歪め、エルクが拗ねたように頬を膨らませた。
そんな二人を尻目に、シュウは自家製の弁当を広げる。
はじめから自炊をメインにすれば、こうして月末に困ることもないはずなのにな。
「はあ、給料でたらうまいもん食いてえ、飲みにいきてえ」
「おっさん飲んでるから金ねえんだろうが」
「お前だって見栄はってリーザにランチ奢ってんの知ってんだからな」
「エルクの場合はアレク達にも奢っているのも原因なんじゃないか」
「しょうがねえだろ俺先輩だしううう、ひもじい」
「ひもじい……」
そうは言っても給料が入ればトッシュは酒代に、
エルクは後輩に奢ったりとそれぞれまた同じ過ちを繰り返すのだろうな。
唐揚げをつつき合ってる二人を見て呆れつつ、シュウは自家製の弁当に手を付けた。